松本市耳鼻科 なのはな みみ・はな・のどクリニック

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妊娠中・授乳中のママの花粉症薬

2018.02.19 Category/ブログブログ花粉症

なのはな みみ・はな・のど クリニックには現在妊婦さんが働いています。今は8か月で、だいぶおなかも大きくなってきました。妊娠すると、全身的にむくみやすくなり鼻閉傾向が強くなります。妊婦さんにとって花粉症のシーズンは大変つらい時期となります。

よく患者さんから質問されるのが、「妊娠中ですが花粉症の薬を飲んでも大丈夫ですか?」とか「授乳中ですが、薬をのんで子供に影響がでませんか?」といった質問です。


おっぱいなんてさっさとやめればいいじゃないと思うかもしれませんが、子供にとっては大問題です。ママのおっぱいが大好きでなかなか離乳・断乳ができず、離乳したと思ったら寂しくて指しゃぶりの過程に進み、親指にタコができてしまった私が言うのですから間違いありません。


断乳の寂しさをうめてくれた俺の親指 Good Job!! もちろん今は”タコ”はない。

 

妊娠中、授乳中に投薬する薬の安全性についてまとめたものがあり、当院ではそれを基準に薬の選択を行っています。
  • アメリカ食品医薬品局(FDA)
  • オーストラリア医薬品評価委員会(ADEC)先天性異常部会
  • 医薬品と母乳(Medication and Mothers’ Milk 2014)
以上の3つが有名な報告書を出しています。

 

2-4か月の妊婦さんの場合には赤ちゃんの重要臓器を一生懸命作っている最中ですから、薬剤投与は慎重になるべきであるといわれています。5か月を超えると赤ちゃんの大事な部分はほとんど出来上がっており、ほぼ問題ないとされていますが、胎盤を通して薬剤が赤ちゃんにも回りますので薬の選択が必要になってきます。

 

妊婦さんへのリスクが低い花粉症の薬剤として

D-クロルフェニラミンマレイン酸塩(ポララミン)、ジフェンヒドラミン塩酸塩(レスタミン、ベナ)、シプロヘプタジン塩酸塩水和物(ペリアクチン)やクレマスチンフマル酸塩(タベジール)がFDAでもADECでも安全性が高い薬と評価されています。これらの薬は副作用の眠気がありますので車の運転などでは注意が必要な薬剤です。眠気があまり出ない薬ではロラタジン(クラリチン)、セチリジン塩酸塩(ジルテック)が選択肢として挙げられてくるでしょう。一般の薬局で購入でき、人気のあるフェキソフェナジン塩酸塩(アレグラ)もよいお薬です。

鼻噴霧用のケミカルメディエーター遊離抑制薬やステロイド薬は局所吸収性が低く胎児への毒性もヒトでは報告がないのでうまく使っていくのがよいでしょう。

 

授乳しているお母さんに対しては

ロラタジン(クラリチン)が最も安全評価が高く、ついでレボセチリジン塩酸塩(ザイザル)、セチリジン塩酸塩(ジルテック)、フェキソフェナジン(アレグラ)も安全性が高く有害報告がされていません。一方、妊婦さんには安全とされていたクレマスチンフマル酸塩(タベジール)が母乳にはずいぶん混じってしまうようで“悪影響を与える可能性あり”と評価されてしまい避けたほうがよいでしょう。

 

参考文献

鼻アレルギー診療ガイドライン 2016年版

今日の治療薬 2018

 

花粉症、花粉症の薬のご相談は松本市の耳鼻咽喉科

なのはな みみ・はな・のど クリニックへお気軽にお問い合わせください。

 

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