松本市耳鼻科 なのはな みみ・はな・のどクリニック

2020.03.05 Category/ブログ｜ブログ｜花粉症

３月に入りスギ花粉の飛散が本格的になってきました。

コロナウイルスの対策と話題で花粉症はすっかり影を潜めたように見えますがだんだん花粉の飛散数も増加してきますので対策と治療をしっかり行いましょう。

マスクの着用率が上がっています。マスクでウイルスは防げませんが、花粉症対策には有効となりますので風の強い日や少し暖かい日にはしっかり花粉をシャットしましょう。

 

今回は当院で行える花粉症の治療についてご紹介します。

 

当院における花粉症の治療戦略

• 内服治療

第一はやっぱり基本の内服治療になります。アレルギー学会で出されている「鼻アレルギー診療ガイドライン2016」に沿っての治療になります。重症度に応じて点鼻薬や点眼薬を組み合わせます。

鼻の中を観察して鼻水が多いのか、鼻づまりが強いのかを判断しそれに応じた薬を選択するようにします。抗ロイコトリエン薬や抗プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2薬は鼻づまりによく効く薬でありこれらをうまく組み合わせたりします。

人によっては良く効いたり効かなかったりしますし、一日一回がよいのか二回がよいのかライフスタイルも考え合わせて処方しています。お気に入りの薬が見つかればいいですね。

最近では街の薬局でも花粉症の薬を手に入れられるようになりました。数年前まではクリニックや病院でしか処方できなかった薬を手軽に買うことができます。薬によっては眠気が出たり、長期間使用するには適していない点鼻の薬もあったりしますので注意して選んでみましょう。

• 舌下免疫療法

スギ花粉に対して治療が可能です。3年から5年の間、毎日しっかりと薬を飲む必要があります。1か月に一度受診が必要で、少し手間がかかるのが難点ですが7－8割程度の患者さんに有効と言われています。当院では優先的に診療しており待ち時間をほぼ無いようにして、お忙しい方でも続けられるように工夫しています。アレルギーをもとから治す可能性を持っている薬であり今後の普及が期待されます。

舌下免疫療法は処方資格を持った医師でないと治療できませんので近くのクリニックで治療可能か確かめてみることが必要です。

• 手術治療

当院ではCO2レーザーを使った手術を行っています。ルミナス社のAcuPulseを導入しています。薬ではうまくコントロールできない鼻汁、鼻閉にたいして有効です。鼻の粘膜表面をレーザー光で蒸散させます。内服治療や舌下免疫療法と組み合わせて行う場合が多いです。患者さんによって異なりますが治療効果は2年程度継続します。

麻酔を湿らせたガーゼをしばらく鼻の中に入れて麻酔をするので痛みはほとんどありません。15分程度で終了し、しばらくクリニック内で様子を見た後帰宅できます。3割負担のかたで1万円弱のコストです。


 

まとめ

当院で行える花粉症の治療についてご紹介しました。いくつも治療選択肢がありますのでその中から最も適したものを選んだり組み合わせたりして治療を行っていきます。

 

参考文献

鼻アレルギー診療ガイドライン2016

耳鼻咽喉科・頭頸部外科　2017年9月号　Vol.89　No.10

 

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