松本市耳鼻科 なのはな みみ・はな・のどクリニック

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インフルエンザ予防接種について。

2018.10.21 Category/ブログブログ風邪・インフルエンザ

秋も深まり、冬の準備をする方も多いと思います。長野県は寒いですから、首都圏より早めにこたつやストーブ、床暖房やオイルヒータを使い始めている方もいるかもしれません。


毎年冬になるとインフルエンザが流行し始めます。当院でもインフルエンザワクチン接種を始めました。大人は3,500円、子供は3,000円/一回となっております。今年も昨年同様ワクチンの供給がスムーズではないようです。接種ご希望の方は直接電話いただければお取り置きします。(TEL 0263-88-4133)

 

 

2017-2018のシーズンでは2017年第51週で年末のピークが一つあり、年始で一度収まりましたが、2018年の第3週で一番のピークが認められました。ちょうどセンター試験が行われるその期間で最もインフルエンザがはやったことが報告されています。


国立感染症研究所ホームページの速報データからグラフを作成しました。

インフルエンザに備える予防策について今回はまとめました。

 

〇インフルエンザといえばインフルエンザの予防接種(ワクチン)ですが、本当に予防になるのでしょうか?


これまでの報告ですと、流行するインフルエンザ株の種類にもよるが、成人の場合50-60パーセントの発病防止として期待できるとされています。A香港型インフルエンザが流行した場合には効果が少し低くなり発病防止効果は30-40パーセントと落ちるようですが(Belongia EA et al., Lancet 2016)、ワクチンの効果は発病予防だけに注目するのは誤りで、重症化を予防することも大きいといわれています。特に入院予防効果、入院期間短縮効果が高いことが報告されています。1999年のシドニー・インフルエンザ(A香港型インフルエンザ)が流行した時は日本人の3万2000人がインフルエンザで亡くなったと報告されています。こうした重症化を防ぐ一つの手段としてワクチンは重要でしょう。

ハイリスクである高齢者、小児、妊婦の場合は特にインフルエンザワクチンの投与が特に必要とされています。

 

〇ワクチンを接種するのはいつがいいの?

インフルエンザの流行時期を考慮すると、接種するのは10月から12月初旬あたりまでに済ませておくことがよいでしょう。
接種してから2週間以内に抗体による防御能を獲得できるといわれ、約5か月程度効果が持続します。上記の時期に接種を行えば流行のピークには防御能も獲得できており春先のインフルエンザにも効果を発揮してくれるでしょう。

子供の場合2-4週間の間隔をあけて2回の接種が必要です。2回目の接種終了から2週間以内に防御能獲得と考えられていますから、この点に注意して接種しましょう。

 

〇妊婦がインフルエンザ予防接種をしてもいいの?

妊娠中のワクチン接種がインフルエンザ罹患のリスク軽減や子宮内胎児死亡の減少につながったそうです(Haberg SE et al., N Engl J Med 2013)。

ワクチン接種することによっておなかの中の赤ちゃんに悪影響が出ないのか心配になりますが、発育不全や子宮内胎児死亡の頻度に悪影響を及ぼすことがなかったことがカナダの研究者によって報告されていますから(Fell DB et al., Am J Public Health 2012)しっかりと予防接種で備えましょう。


 

〇マスクは効果があるの?

インフルエンザでの一番の感染経路は空中に漂ったインフルエンザウイルスを吸い込むことによって感染します。特殊な高性能マスクであればウイルスを吸い込むことを防御できますが、市販のマスクでは浮遊したインフルエンザウイルスまでは防御できません。どちらかというとインフルエンザ患者によるくしゃみや咳による唾液や鼻水が飛び散ることを減らす目的であるマスク着用に意義があるといわれています。

インフルエンザにかかり実際に発症するまで時間がかかります。発症の24時間くらい前にはすでにインフルエンザウイルスをまき散らし始めるので他の人に感染させないという意味ではマスクをするのがよいでしょう。

〇インフルエンザウイルスを退治してくれる電化製品は効果があるの?

“プ○ズ○クラスター”や“ナ○イー粒子”といった商品が売られており、ウイルスを退治してくれることをうたっています。しかし残念ながら客観的な実験では効果が認められなかったそうです(西村秀一 感染症誌2012:日環境感染会誌2012:感染症誌2012)。

当院でも患者さんが接種希望で続々と来院されております。皆さんもしっかり計画を立てて予防接種を行いましょう。特に受験生は気を付けましょう!!

現役のときセンター試験をインフルエンザで休み、追試験を受けた経験のある院長より。

 

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