松本市耳鼻科 なのはな みみ・はな・のどクリニック

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まずい薬の飲み方

2018.06.05 Category/ブログ

小学生のころに葛根湯をよく処方され、どうしても飲めなくてオブラートを買ってもらって飲んでいました。オブラートを使うにもちょっとしたコツがあり、上手に包んでうまく呑み込まないと、口の中でとけだして漢方独特の苦みとえぐみを思いがけないタイミングで容赦なく味わうことになります。「オブラートに包んで・・・」という言い回しに感心し、オブラートもうまく使わないとひどい目にあうという社会の厳しさを10歳にして教わりました。


耳鼻科でよく使う薬にマクロライド系の抗生物質であるクラリスロマイシンというものがあります。

慢性副鼻腔炎や滲出性中耳炎などこどもがよくかかる病気に処方する薬であり、耳鼻科医にとって一番大事な薬です。

この薬には苦みがあるのが特徴で、こども用に甘味を付け加えた粉薬・ドライシロップにしても苦みが目立つようです。こどもによってはこの薬を全く飲んでくれないことがあり、お母さんから相談と苦情めいた愚痴を聞かされることしばしばです。


クラリスロマイシンをうまくこどもに飲ませる方法はないのか?

 

まずインターネットでググってみると・・・。

「クラリスロマイシン まずい」 でズラーっと出てきます。Yahoo知恵袋を筆頭に薬剤師さんや薬局のブログなどでは、なんとかしてこどもに飲んでもらおうというノウハウでいっぱいです。

代表的な方法は牛乳から始まってバニラアイス、チョコレートクリームやココア、練乳などこどもが喜びそうなものに混ぜて飲ませる方法でした。飲み合わせがかえって悪くなる混ぜ物の紹介もありました。この情報量の多さからは、世間のお母さんたちがいかに苦労しているのかがわかります。

なのはな みみ・はな・のど クリニックに通うこども達のお母さんの努力も大変涙ぐましく、あの手この手で子供たちにのませているようです。

そこで、クラリスロマイシンを処方され、なんとか飲んでくれているこども達とお母さんにどうやっているか聞いてみました。

今日はその結果を発表です。

合計16人のこども達から聞き出すことができました。

何かに混ぜて薬を飲み下す方法。5人。案外少ない。混ぜるものは、インターネットの情報通り、練乳やチョコレートスプレッド、ココア、バニラアイスです。薬局で販売されているゼリー状オブラートと称した専用のものを使っているお母さんもいました。

そして正攻法の、粉薬を口の中に放り込んですぐに水で飲み下す飲み方。11名でした。意外と多い正攻法です。少量の水で練って口の中に放り込み飲ませているお母さんもいました。また、この中にはインターネットで調べた飲ませ方をかたっぱしから試してみるもこどもにすべて拒否され、結局は嫌がるこどもを抱え込んで根性で飲ませるというお母さんもいらっしゃいました。朝のクソ忙しい時間帯にこのようなバトルが毎朝繰り広げられているようで、処方している私は申し訳ない思いでいっぱいです。

薬を何かに混ぜて飲み下す方法は有効なようですが、混ぜ物が少なくて薬の味がわかってしまうとそれ以降絶対飲まなくなるということが多いようです。最初から本当に味に気が付かなくなるほど十分な量の混ぜ物を使うことがポイントなのでしょう。専用のゼリー状オブラートは専用だけあってかなり有効であり子供に気づかれることが少ないようです。

クラリスロマイシンは子供用の錠剤が発売されており、粉薬とは違って苦みが口に広まることがありません。粉薬の苦みがわかってしまった子供に、「大人が飲むような粒のお薬があるよ。粒の薬なら苦くはないし、お兄さんになってきた○○君なら飲めるかも!」と少し子供のプライドをくすぐりながら勧めると案外飲んでくれることがあります。子供の年齢や体格にもよりますがどうしても飲んでくれない子供に勧めてみる価値があります。


今回はこどもがなかなか飲んでくれないまずいクラリスロマイシンの話題でした。

しっかりお薬をのんで、みんなの病気が早く治ってくれるといいな!!

 

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